今回の検討により多発性骨髄腫において長鎖散在反復配列(LINE-1)は有意に低メチル化していることが示され,かつその前癌病変であるMGUSは正常コントロールと骨髄腫の中間のメチル化レベルを示したことから多発性骨髄腫の進展に伴いメチル化レベルが段階的に低下することが示唆された。さらに,LINE-1メチル化レベルと染色体欠失の程度には有意な逆相関を認め,LINE-1が低メチル化している検体ほど染色体欠失が多いことが示された。また,LINE-1のメチル化レベルと予後の相関を検討した結果,LINE-1の低メチル化は独立した予後不良因子であることが示された。
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