研究課題
FOXO3Aは全トランスレチノイン酸(ATRA)刺激によって脱リン酸化されると核内へと移行し、急性前骨髄球性白血病(APL)細胞にアポトーシスを誘導する。この脱リン酸化にはプロテインホスファターゼ2A(PP2A)が関与しているため、PP2Aを活性化できればFOXO3Aの脱リン酸化によってAPL細胞をアポトーシスによる細胞死へと誘導できるのではないかと考えられる。そこで本研究ではPP2Aの活性化作用を有するFTY720の抗腫瘍効果をin vitroとin vivoの両方の系を用いて解析を行った。平成23年度はin vitroの系を用いてFTY720がAPL細胞株NB4やATRA耐性株NB4/AR細胞にアポトーシスを誘導できることを明らかにした。平成24年度と今年度はさらにin vivoの系を用いて免疫不全マウスにNB4や NB4/AR細胞を移植してFTY720の抗腫瘍効果を検討した。すなわち重度複合免疫不全マウスであるNOD/SCIDマウスにNB4とNB4/AR細胞を皮下に接種し、腫瘤を形成させ、FTY720を5 mg/kg/day または10 mg/kg/dayを腹腔内に連日投与し、腫瘍縮小効果を検討した。 その結果、FTY720は用量依存性に腫瘍縮小効果を示した。FTY720はATRA耐性のAPLに対しても抗腫瘍効果を発揮することから、APLに対する新たな抗白血病薬としての可能性を示唆するものである。今後はFTY720の臨床応用での展開が期待される。
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