研究概要 |
1) 健常人CMV既感染者におけるCMVpp65抗原特異的CTLが拘束される免疫優位(Immunodominant)なHLAアリルの検索 前年度、健常人血液検体および患者血液検体収集のためプロトコールをヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会に申請し、承認を受けた。現在までに、5組のHLA一致血縁者間造血幹細胞移植患者、ドナーより同意を得て、移植前および移植後 day 30, day 60, day 90, day 180 の検体を保存した。CMVpp65由来エピトープが既知であるものをHLA-A:18種類、HLA-B:14種類、HLA-Cw:4種類のペプチドを合成し、準備しているが、HLA-A,B,Cの各アリルとも既知であったレシピエント・ドナーは1組のみであり、その他は、CMVpp65由来エピトープが未知であるアリル(HLA-A*31:01,HLA-B*13:01,B*54:01,B*55:02, HLA-C03:03,C*03:04)を含んでいたため、これらドナーでのCMVpp65特異的CTL株樹立およびエピトープ同定を行なっている。 2)造血幹細胞移植後患者におけるCMVpp65抗原特異的CTLのモニタリング 当院における同種造血幹細胞移植後の患者末梢血中のCMVpp65特異的CTLの動態を解析する。既知および新規同定したCMVpp65抗原エピトープペプチドを用い、患者または幹細胞移植ドナーの有するそれぞれのHLAアリルに提示されるペプチドCD40-B細胞にパルスし、反応性をIFN-γ ELISPOT法にて解析する。CMVpp65由来エピトープがすべて既知であるレシピエント・ドナーについては、day180までの検体が揃い次第、未知であるアリルを有するレシピエント・ドナーについては、免疫優位なエピトープが確定し次第、IFNγELISPOT assay を行う予定である。
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