研究課題
ヒト好中球はlipopolysaccharide(LPS)刺激に反応してtumor necrosis factor-alpha(TNF-alpha)を産生する。interferon-alpha(IFN-alpha)およびIFN-gammaはLPS刺激によって誘導される好中球からのTNF-alpha産生を増強し、その作用はIFN-gamma > IFN-alphaであった。LPSまたはIFN-gamma + LPS刺激よって誘導される好中球からのTNF-alpha産生は、granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)、ATPおよびbenzoylbenzoyl-ATP(BzATP)によって抑制され、UTPでは抑制されなかった。IFN-alpha、IFN-gamma、G-CSF、ATPおよびBzATPによるTNF-alpha産生の制御はmRNAレベルで生じていた。ヒト単球においても、好中球におけると同様、IFN-gammaはLPS刺激によって誘導されるTNF-alpha産生を増強した。また、LPSまたはIFN-gamma + LPS刺激よって誘導される単球からのTNF-alpha産生はATPおよびBzATPによって抑制され、UTPでは抑制されなかった。これらの結果は、LPS刺激によって誘導されるヒト好中球および単球からのTNF-alpha産生がIFN-alphaおよびIFN-gammaによって正に制御され、G-CSFおよびATPによって負に制御されていることを示している。また、ATPはP2Y11受容体を介して抑制していると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
研究計画にしたがって研究を遂行し、予期した結果を得ると共に、当初予期しなかった以上の興味ある結果を得た。
23年度に得られた結果をさらに発展させる。具体的には、ATPの作用に関与する受容体の同定、ATP、G-CSFおよびIFN作用の分子基盤に関する研究を推進する。また、IL-8産生に対する制御とTNF-alpha産生に対する制御が異なることが判明した。そこで、これらの相違点についてもさらに解析を進める。
設備備品費は不要である。物品費、学会出張費、論文別刷代が必要である。
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Arch. Biochem. Biophys.
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