研究課題/領域番号 |
23591428
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
麦島 秀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80183648)
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研究分担者 |
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
谷ヶ崎 博 日本大学, 医学部, 助教 (90378141)
石毛 美夏 日本大学, 医学部, 助教 (90420950)
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キーワード | 再生医学 / 移植・再生医療 / 胎児由来幹細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
1.臍帯組織に存在するMSC (免疫抑制性細胞・造血ニッチ細胞)の形質および機能解析:同一ドナーに由来する胎児付属物からWharton’s Jelly由来MSC(WJ-MSC), 羊膜間質由来MSC(AMC)、羊膜上皮由来幹細胞(AEC)を培養調製し、in vitroにおける免疫抑制能を比較検討した。その結果、リンパ球増殖抑制効果は、WJ-MSC >AEC>AMCの順に強い傾向を認めた。また免疫制御関連遺伝子(IDO-1、PTGS2、HGF、TRAIL)の発現もWJ-MSCで高い傾向があり、リンパ球増殖抑制効果と相関が認められた。 2.臍帯由来免疫抑制細胞の細胞治療への応用:マウス急性GVHDモデルに対して、WJ-MSCを経静脈内投与し、そのGVHD発症抑制効果を検討した。その結果、WJ-MSC投与群はMSC非投与Control群に比べ、GVHDの臨床スコアや死亡率に明らかな差は認められなかった。 3.臍帯血移植における生着促進を目的とした細胞治療の確立:放射線照射を行った免疫不全(NOD-SCID)マウスに、ヒト臍帯血造血幹細胞(CD34陽性細胞)と共に、WJ-MSC、AEC、AMCをそれぞれ共移植した。移植12週間後に骨髄および末梢血中のヒト型血液細胞の生着率をフローサイトメーターで検討した。その結果、各MSC共移植群では、MSC非投与Control群に比べ、ヒト型血液細胞の生着率が高くなることが明らかになった。一方、これら3種類のMSC間の比較では、生着率や生着した各細胞分画の比率に明らかな差は認められなかった。以上の結果より、胎児付属物由来MSCとの共移植により臍帯血造血幹細胞移植の生着率向上が期待できることが明らかとなった。
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