研究課題/領域番号 |
23591429
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
國島 伸治 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (60373495)
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キーワード | 先天性血小板減少症 |
研究概要 |
先天性巨大血小板性血小板減少症の解析において、新規原因として明らかにした恒常的GPIIb/IIIa受容体活性化異常を有する新規症例を複数同定した。昨年度までの研究において、恒常的活性化型GPIIb/IIIa受容体異常による先天性巨大血小板性血小板減少症は、フローサイトメトリによる血小板GPIIb/IIIa発現解析が有用であることが判明している。新規に解析した症例のうち、3症例では血小板GPIIb/IIIa発現低下と相対的GPIb発現上昇を認め、GPIIb/IIIa恒常的活性化の指標であるPAC1抗体の結合を認めた。GPIIb/IIIa遺伝子解析の結果、GPIIb/IIIaの定常状態の維持に必要な膜近傍領域においてGPIIb F993del、GPIIIa L718P、GPIIIa エクソン13欠失変異をそれぞれの症例において同定した。これら異常を有するGPIIb/IIIaを動物細胞に発現させたところ、GPIIb/IIIa発現量低下と恒常的活性を認めた。以上により、恒常的活性化型GPIIb/IIIa受容体異常による先天性巨大血小板性血小板減少症はGPIIb R995Wのみでなく、新規疾患entityであることが明らかになった。また、本疾患は本邦の先天性巨大血小板性血小板減少症のなかで3あるいは4番目に高頻度である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例解析により新たな変異を同定し、その分子異常を明らかにした。 恒常的活性化型GPIIb/IIIa受容体異常による先天性巨大血小板性血小板減少症はGPIIb R995Wのみでなく、新規疾患entityであることが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
新規症例の解析と分子病態を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
系統的血小板解析により本疾患を同定し、in vitro実験により分子病態を明らかにする実験に供する。 研究成果を学会および論文に発表するために供する。
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