研究課題/領域番号 |
23591434
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 講師 (50190210)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | CD26 / 膠原病 / 共刺激 / Caveolin-1 |
研究概要 |
自己免疫や慢性炎症が関与する関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病の治療の最終的な目標は生体の感染防御反応を妨げることなく異常な免疫反応を特異的に制御することにある。炎症反応や病変への遊走に重要な役割をもつT細胞上のCD26分子の発現とT細胞のエフェクター機能との関係を明らかにし、さらに新たな共刺激リガンドcaveolin-1やその他のCD26結合分子との関連について解析した。(1)機能性T細胞サブセットにおけるCD26分子の発現と機能の解析:Th1細胞以外のTh2,Treg,Th17細胞におけるCD26の発現と臨床病態との関連性はこれまで十分に検討されていない。ヒトのナイーブCD4+T細胞がIL-21+TGF-β、central memory CD4+T細胞がIL-1β+IL-6によりTh17細胞に分化させうることの検証を健常人において行った。誘導されたTh17細胞におけるCD26発現、Th1、Th2,Treg細胞におけるCD26の発現も解析した。誘導の条件によりCD26の発現が異なっていた。活動性SLE患者T細胞サブセットにおけるCD26の発現低下を認め、血清可溶性CD26との関連性を認めた。(2)CD26とcaveolin-1の相互作用および臨床病態の解析:CD26共刺激シグナル伝達の障害を認めた例はこれまでのところ認められなかった。マクロファージ表面へのcaveolin-1の露出とCD86の発現をフローサイトメトリーにより解析し、血清中の可溶性CD26の測定を行い両者の関連を検討した。(3)血清中のCD26測定に用いているELISAの2次抗体を、認識するエピトープの異なる抗体にて測定すると、片方で低値を示す症例を認めた。これはCD26への結合分子の結合も異なることがあることを示唆し、さらにシグナル伝達について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外来、病棟業務の増加や、病院での管理業務時間の増加にともなう実験時間の確保がやや困難となったことが理由である。特に細胞機能を検討する際には、検体入手の時間が限られてくることが当初より予想されていたが、今年度はその予想以上に時間の確保に支障がでた。
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今後の研究の推進方策 |
実験補助の活用、他の医師の協力など可能な推進策をとる。すでにこれまでの実験結果をもとに特有の臨床病態を呈する症例などにまずフォーカスしての検討を中心として健常人との差異を明確にするなど、実験の進め方を再検討する。状況に応じて平行して進めている実験を調整し、新たな結果を得た場合には再現性などの検討を優先させる。他の仕事の効率化を図り、さらなる実験時間の確保に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度と同様に細胞分離、細胞培養試薬、ELISA試薬、サイトカインおよびサイトカイン測定キット、モノクローナル抗体などの購入が必要となる。また、情報収集や結果発表のための旅費も必要となる予定。実験目的として、3つの目的が設定されており初年度にてそのうちの2課題の基礎的検討を行った。そのために初年度に研究費が他年度より多く使用したが、次年度は第3の目的の基礎的検討と今年度の研究をさらに推進するために必要な研究費として使用される。
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