今後の研究の推進方策 |
CB2選択的アゴニストにより、マウス関節炎の抑制効果を認めた。その効果の機序を検討するため、in vitroにおいて、関節炎の病態に深く関与する、マクロファージ、T細胞、B細胞、線維芽細胞様滑膜細胞に対するCB2選択的アゴニストの炎症抑制効果を解析する。(1)マクロファージ:CB2アゴニストの破骨細胞分化・活性化への影響を解析する。末梢血単球を単離し、M-CSFおよびRANKL刺激により破骨細胞への分化が誘導できるが、その際にCB2アゴニストを投与する。分化した破骨細胞数を計測し破骨細胞分化への影響を観察する。また一旦破骨細胞に分化した細胞に、CB2リガンドを投与し、破骨細胞活性化への影響を破骨能の解析により評価する。(2)T細胞:RA患者末梢血よりT細胞を単離し、抗CD3, CD28抗体で刺激し、同時にCB2アゴニストを投与する。T細胞の細胞増殖、IFN-γ, IL-17などの炎症性サイトカイン産生、CD40Lなどの活性化分子の発現に対する抑制効果を観察する。(3)B細胞:RA末梢血よりB細胞を単離。抗イムノグロブリン抗体で刺激し、B細胞増殖、IL-6, TNF産生、ICOSL, BAFF-Rなどの発現に対するCB2アゴニストによる抑制効果を検討する。(4)RA線維芽細胞様滑膜細胞:RA滑膜より樹立した線維芽細胞様滑膜細胞を、TNFなどの炎症性サイトカインによる刺激時に、CB2特異的アゴニストを投与し、細胞増殖、炎症に関与するサイトカイン/ケモカイン、組織破壊に関与する分子(IL-6, MCP-1, SDF-1, fractalkine、MMP-3など)の産生抑制効果を解析する。
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