研究課題/領域番号 |
23591435
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
南木 敏宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座准教授 (00282749)
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研究分担者 |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30157622)
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キーワード | カンナビノイド / 関節リウマチ |
研究概要 |
カンナビノイド(CB: cannabinoid)は大麻の主成分であるが、その受容体であるCB1は中枢神経系に、CB2は免疫系細胞に主に発現しているため、CB2特異的リガンドは中枢神経への作用がなく、免疫系に作用することが推測される。初年度の研究により、関節リウマチ(RA)滑膜組織のマクロファージ、線維芽細胞様滑膜細胞(FLS: fibroblast-like synoviocyte)、T細胞、B細胞にCB2の発現を見出し、またCB2特異的リガンドの投与によりモデルマウスの関節炎(コラーゲン誘導関節炎)が抑制されることを見出した。 当該年度(2年目)は、CB2特異的リガンドによる関節炎抑制の機序を検討するため、CB2特異的リガンドによるFLS、単球の活性化抑制、および破骨細胞分化抑制効果を解析した。In vitroで培養したRA由来のFLSもCB2を発現していることをwestern blotにて確認し、CB2特異的リガンド(JWH133)で刺激し、各種炎症メディエータの産生を解析した。TNF-α刺激により、FLSからのIL-6、MMP-3、CCL2の産生が亢進したが、JWH133の投与によりその産生亢進が抑制された。また、IL-1β刺激により末梢血単球からのIL-6産生が上昇亢進したが、JWH133の投与により抑制された。また、末梢血単球をRANKL、M-CSFで培養することにより破骨細胞に分化したが、JWH133は破骨細胞分化も抑制した。 以上の結果より、CB2特異的リガンドによる関節炎抑制は、FLS、単球の活性化抑制、破骨細胞分化抑制によることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した、当該年度の研究予定に関して、概ね予定通りに研究を進めることができ、研究実績に記載したように良好な結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
CB2特異的リガンドによる免疫抑制効果をさらに検討するため、関節炎発症に重要と考えられている、T細胞活性化、T helper (Th)細胞分化に対するCB2特異的リガンドによる作用を解析する。 (1)末梢血T細胞を、抗CD3抗体で刺激し、IL-2、IL-4、IFN-γなどの産生を解析し、CB2特異的リガンドによる抑制効果の有無を検討する。 (2)末梢血ナイーブCD4 T細胞を、Th1、Th2、Th17分化状況下に培養し、CB2特異的リガンドによる各Th分化への影響を解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究試薬(細胞培養試薬、抗体、ガラス器具)、およびマウス購入費などの動物実験費に用いる。
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