自己免疫疾患における肉芽腫形成の機序は不明である。我々は、転写因子IRF4欠損の自己免疫モデルマウス(MRL/lpr系)で、肺などの多臓器にラングハンス型多核巨細胞を伴う肉芽腫の自然発症を見いだした。研究の結果、同マウスではIFN-γ産生Th1細胞の増加と血清IFN-γの高値を認めた。一方、転写因子IRF1欠損MRL/lprマウスでは、IL-4産生Th2細胞の増加と、異形型多核巨細胞を伴う肺肉芽腫の形成を認めた。即ち、転写因子IRF4とIRF1はTh細胞のバランス保持に重要であり、その欠損はMRL/lprマウスにおいてThバランスを変化させ、多臓器に肉芽腫性病変を生じさせることが判明した。
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