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2011 年度 実施状況報告書

VEGFRチロシンキナーゼ阻害薬スニチニブ,ソラフェニブの関節炎抑制効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591448
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

黒坂 大太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10277030)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードコラーゲン誘導性関節炎 / スニチニブ / 血管新生 / 滑膜炎 / 骨密度
研究概要

関節リウマチの関節炎滑膜組織内には新生血管が密に増生している.そこで血管新生阻害薬が新しい関節リウマチの治療薬となり得るかを調査するため,血管新生関連因子であるVEGFやPDGFの受容体チロシンキナーゼ阻害作用を持つsunitinibをコラーゲン誘導性関節炎モデルマウスへ投与する実験を主に行った. sunitinibの連日経腹腔投与により,関節炎の発症が用量依存性に抑制されることが証明された.投与中断後の関節炎進展を抑制することはできなかったが,関節炎進展中の投与開始にて,その後の関節炎進展を抑制することができた.病理組織学的にも,炎症細胞浸潤やパンヌス形成などの関節炎所見は用量依存性に抑制されていたが,骨密度と滑膜血管密度に関してはsunitinib投与量が低用量か高用量かにかかわらず,正常コントロールと同等の水準を維持できていた.このことより,sunitinibは関節炎抑制作用のうちでも特に滑膜血管新生と骨破壊の抑制効果が強い可能性が示唆された. 既存の関節リウマチ治療はいずれも殆どが,免疫抑制効果や抗炎症効果を目的としたものだが,血管新生阻害療法はそれらと作用点が異なると考えられるため,多剤抵抗例や,併用療法への効果が期待される.sunitinibも,新たな関節リウマチ治療薬として使用できる可能性がある. この結果は,近日中に国内学会で発表予定である.また,現在海外の学術誌に投稿を予定している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

sunitinibに関しては,交付申請書に記載した進捗予定の内容については既に年度内に結果を得られている.さらに,後半は既に次年度以降の実験予定の内容に取り掛かっており,今回購入したものにはその分の物品も多く含まれている. ただし,もうひとつ予定していたsorafenibを用いた実験は入手や腹腔投与のための調製に手間取り,まだ結果が出ていない.

今後の研究の推進方策

sunitinibに関しては,当初の予定通り関節炎マウス関節サンプルやにおける蛋白やmRNAの発現,受容体型チロシンキナーゼのチロシンリン酸化の比較解析等を進めていく予定である.sorafenibに関しては投与実験を進めていく.

次年度の研究費の使用計画

関節炎誘導用マウス・ウシII型コラーゲン・アジュバント,ヒト滑膜細胞(健常人由来,関節リウマチ患者由来)・ヒト臍帯血管内皮細胞とその培養液や添加試薬,蛋白発現解析用の抗体・発色系試薬・あるいはELISAキット,RT-PCR・リアルタイムPCR用の試薬(プライマーなど),その他消耗品を主に購入予定としている.

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公開日: 2013-07-10  

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