研究課題
TNF-alphaは生体内において炎症惹起物質として広く認識されており、関節リウマチ、ベーチェット病、クローン病などの炎症性疾患において、TNF-alphaを分子標的にした生物製剤の有効性が広く認識されている。NF-kBはそのmajorなシグナル伝達分子でありTNF-alphaによる炎症の惹起に中心的な役割を果たしている。BTLAはTNF受容体ファミリーに属する細胞表面受容体であるが、ITIMモチーフを細胞内に有し抑制性のシグナルを伝えることで生体内では種々の免疫反応を抑制性に制御していることが知られている。本研究では、BTLAアゴニスト抗体を用いたアレルギー性接触性皮膚炎治療の可能性を探ることを目的とし、a)BTLA欠損マウスにおける接触過敏症(CHS)、b)CHSにおけるBTLAアゴニスト抗体投与の影響につき検討し、以下の結果を得た。A) CHS炎症局所に浸潤しているCD8陽性T細胞ではCD4陽性T細胞に比してBTLAの発現が亢進していた。B) BTLA欠損マウスではCHSの著明な亢進がみとめられたが、細胞移入の実験によりCD8陽性T細胞でのBTLAの欠失がBTLA欠損マウスでのCHSの著明な亢進に寄与していることが判明した。C) BTLAアゴニスト抗体の投与は、CHSを著明に減弱化した。以上の結果より、BTLAアゴニスト抗体はアレルギー性接触性皮膚炎の新たな治療法となる可能性が示唆された。
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