研究課題/領域番号 |
23591466
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / CoA / ドパミン受容体 |
研究概要 |
抗D1様ドパミン受容体抗体のマウスTh17病モデルへの効果の検証 抗D1様ドパミン受容体の多クローン性抗体を作製した。これと受容体の特異的反応を確認すると同時に、マウスTh17病モデルのひとつである、好中球性気道炎症のモデルでその効果を確認した。低分子アンタゴニストほどの強い抑制ではなかったが、好中球性気道炎症とTh17応答の抑制を観察できた。今後は抗体の親和性を増強させて研究を発展させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)CoenzymeAのTh2アジュバントとしての作用機序を解明すること2)アトピー性皮膚炎予防の介入試験を行うこと3)環境化学物質のTh2アジュバント活性を明らかにすること4)抗D1様ドパミン受容体抗体のマウスTh17病モデルへの効果を検証すること5)常在真菌が有する抗Th17活性の本体を明らかにすること、を目的として研究を進めており、現在までの達成度としては5)へ取り掛かり始めたところであり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
環境化学物質のTh2アジュバント活性に関する研究 23年度に同定した物質のin vivoでの効果について検証する。アトピー性皮膚炎のモデルマウス、ならびに好酸球性気管支喘息のモデルを用いる。また、低グレードグリセリンからアジュバント物質を除去する方法についても研究を進める。 抗D1様ドパミン受容体抗体のマウスTh17病モデルへの効果の検証 アンタゴニスト活性のある抗体を以下の5つのマウスモデルで検証する。EAE、NOD、腎炎、RA、好中球性気管支喘息。効果がみられれば、抗ヒトD1様ドパミン受容体抗体を作製し、次の段階の臨床試験に備える。ちなみに現在申請者らが研究に用いているD1様ドパミン受容体アンタゴニスト(SCH23390)は治験の初期段階で肝障害により脱落し、試薬としてのみ用いられているものである。同様の効果があるD2様ドパミン受容体アゴニスト(レキップ、ビ・シフロールなどの抗パーキンソン病薬)についてもすでにマウスの系で検討済であるが、アゴニストに特有な受容体のdown-modulationにより、D1様ドパミン受容体アンタゴニストのような著明な効果は観察されなかった。抗体によるアプローチはこのようなデメリットの恐れがないだけでなく、脳神経組織への直接的な作用を回避できるなど、期待できる側面も大きいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度はおおむね順調に研究が進行した。 予定していたよりも、試薬・抗体を節約して研究を行えたことが次年度使用額の発生につながったと思われる。 次年度使用額の\47,785は来年度解析を予定している、抗D1様ドパミン受容体抗体のマウスTh17病モデルへの効果の検証に用いる試薬を購入する予定である。
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