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2011 年度 実施状況報告書

細胞死に対する自然炎症の機序の解明およびその関節リウマチへの関与

研究課題

研究課題/領域番号 23591468
研究機関帝京大学

研究代表者

河野 肇  帝京大学, 医学部, 准教授 (60585074)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード自然免疫 / 炎症 / 細胞死
研究概要

(1) IL-1Rコンディショナルノックアウトマウスの作成 IL-1Rコンディショナルノックアウトマウス作製のためのgene construct作製は終了しており、胚への遺伝子導入、キメラマウスを樹立、C57BL/6バックグラウンドへのバッククロスを開始する予定であった。本年度は胚への遺伝子導入に問題が生じており、導入細胞のスクリーニングを繰り返しているが、現時点では導入細胞が確立していない。そのため、sykコンディショナルノックアウトマウスを導入することとした。sykは以下に述べるCtypeレクチンの下流で働くチロシンキナーゼである。Ctypeレクチンがいずれの細胞で働いているかを検討するために用いることとした。マウスはjackson labから購入した。(2) Clec9a分子の対応抗原の検索 Clec9aの細胞外ドメインを免疫グロブリン(Ig)のFc部分に結合させたキメラタンパクをHEK293T細胞に発現、細胞外分泌させ、プロテインAビーズに吸着させる。このパートについては進行中であったが、Nature誌に対応抗原としてactinが同定された。ubiquitousな分子であり、我々の狙っていた結果が先にpublishされたこととなる。(3) Caspase1, CathepsinCのダブルノックアウトマウスの解析を進めた。腹腔に死細胞を注射し、好中球のリクルートを見る腹腔アッセイを用いた。それぞれの分子がIL-1betaのprocessing に協働的、相加的に機能することを見いだした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1) IL-1が作用する細胞種の同定についてはIL-1Rコンディショナルノックアウトマウスの作成が進まなかったが、その代わりにSykノックアウトマウスの導入を行うことができた。(2) Clec9a分子の対応抗原の検索は計画通りに進められていたが、今後方針を変更する必要が出て来たと考えている。(3) Caspase1, CathepsinCのダブルノックアウトマウスの解析を進めることができた。

今後の研究の推進方策

(1) Sykコンディショナルノックアウトマウスを用いるとともに、Syk阻害剤を用い、in vivoにおけるSykの働きについて検討を行う。(2) インフラマソーム活性化機構の検討を行う。インフラマソームの中心分子であるASCにHisタグを付加し、マクロファージに発現させ、インフラマソーム活性化を惹起させる。ASCを中心としたインフラマソームをショ糖密度勾配並びにニッケルカラムにて分離し、インフラマソームに含まれる未知の分子を同定する。

次年度の研究費の使用計画

IL-1Rコンディショナルノックアウトマウスの作成に遅れが出たために、繰越金が生じた。(1) 細胞特異的プロモーターCreマウス(Tie1, Tie2, Fsp1, Smmhc, Amy2, CMV)を導入、繁殖のために1500千円を用いる。Sykコンディショナルノックアウトマウスと交配し、組織特異的Sykノックアウトマウスを作製。他に消耗品費として900千円を計上する。また、消耗品費としてH24年度請求額の700千円を計上する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 動脈硬化と自然免疫2012

    • 著者名/発表者名
      河野肇
    • 雑誌名

      Annual Reviews循環器2012

      巻: 2012 ページ: 42-48

  • [雑誌論文] Innate and adaptive immune reponses to cell death.2011

    • 著者名/発表者名
      Rock KL, Lai JJ, Kono H
    • 雑誌名

      Immunol Rev

      巻: 243 ページ: 191-205

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NLRPインフラマソームと動脈硬化2011

    • 著者名/発表者名
      河野肇
    • 雑誌名

      呼吸と循環

      巻: 59 ページ: 873-882

  • [学会発表] BEYOND THE INFLAMMASOME: ROLE OF DIPEPTIDYL PEPTIDASE I (CATEPSIN C) IN THE MATURATION OF IL-1Β IN VIVO2011

    • 著者名/発表者名
      Hajime Kono
    • 学会等名
      Annual European Congress of Rheumatology EULAR 2011
    • 発表場所
      London, UK
    • 年月日
      2011 – 525

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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