研究課題
細胞死に対する自然炎症においては、サイトカインIL-1が非常に重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。骨髄キメラマウスを用いた実験により、非骨髄由来細胞上のIL-1受容体(IL-1R)が重要であると判明している。われわれはIL-1のエフェクター細胞を同定するために、IL-1Rコンディショナルノックアウトマウスの作製を進めてきた。現在キメラマウスからB6マウスへと戻し交配を行っている途中である。今後、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞などの非骨髄由来細胞におけるIL-1Rの重要性を検討する。インフラマソームの分子メカニズムが次第に判明し、各種感染症からの生体防御に重要な役割を果たしていることが明らかとなった一方、関節リウマチを始めとする炎症性疾患、代謝性疾患、変性疾患においてもその病理に関与していることが明らかとなってきている。インフラマソームは様々な刺激からcaspase-1の活性化、そしてIL-1betaの切断による成熟化、IL-1alphaの放出を来すプラットフォームである。IL-1およびインフラマソーム依存性であると考えられている死細胞に対する炎症反応やシリカ結晶に対する炎症反応においても、マウスin vivoにおいてはインフラマソーム非依存性caspase-1非依存性かつIL-1beta依存性であることを見出した。すなわちcaspase-1以外にIL-1beta成熟化に関わる分子があり、それは好中球セリンプロテアーゼであるcathepsin Gやproteinase3である可能性が示唆された。
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Methods in Molecular Biology (Clifton, N.J.)
巻: 1040 ページ: 211-221
10.1007/978-1-62703-523-1_16