研究概要 |
1. RSウイルスによるヒトマスト細胞活性化機構の解明(マスト細胞、ウイルス実験)1)ヒトマスト細胞にRSウイルスが直接感染するかあるいは付着するかをマスト細胞にウイルスを添加しreal time RT-PCR法でウイルスRNAの増幅、ウイルス蛋白の存在を免疫染色法にて調べたところ、全く感染は認められなかった。2)RSウイルスがヒトマスト細胞を直接活性化するかまたはIgE依存性の脱顆粒を増強するかをウイルス添加による脱顆粒の程度をヒスタミン遊離量を指標に調べたところ、RSウイルスはヒトマスト細胞を直接活性化しなかった。IgE依存性の脱顆粒をウイルス添加により増強するドーナーが存在した。2. RSウイルスあるいはヒトライノウイルス感染後に初めて喘鳴を起こした3歳未満の子供の喀痰中のマスト細胞トリプターゼが増加している症例が喘息へ移行するのかを3年追跡調査を開始した。(臨床研究)独協医科大学小児科(連携研究者の吉原重美氏)との共同研究でRSウイルスあるいはヒトライノウイルス感染後に初めて喘鳴を起こした3歳未満の子供の喀痰あるいは鼻汁が現在55症例が集まったので、喀痰あるいは鼻汁中のトリプターゼ、IL-1 beta, IL-1ra, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-7, IL-8, IL-9, IL-10, IL-12, IL-13, IL-15, IL-17, IFN-gamma, IL-29 (IFN-lammda), VEGF, PDGF, G-CSF, GM-CSF, FGF, TNF-alpha, TGF-beta, eotaxin, RANTES, MIP-1 alpha, MIP-1 beta, MCP-1, IP-10を測定した。今後症例数をさらに増やし統計処理を行う。
|