研究課題/領域番号 |
23591480
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中村 敦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40285200)
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研究分担者 |
加藤 秀章 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30418868)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | Clostridium difficile / 抗菌薬関連腸炎 / 毒素遺伝子 / Binary toxin / NAAT |
研究実績の概要 |
近年我が国においても急速にClostridium difficile感染症(C.difficile infection:CDI)に対する関心が高まってきている.CDIに対する的確な診断,適切な治療(特に重症,難治,再発症例),そして過不足のない院内合感染対策の確立が求められられているものの,未だその途上にあるといえる.本研究ではこれらの参考となる基礎的データを提示することを目的として,検出菌臨床像の解析ならび新たな臨床診断法の検証を行ってきた. 平成26年度は,検出菌の毒素遺伝子産生と重症度を検証した.その結果,毒素遺伝子の産生性あるいは毒度型と重症度との間に相関はみいだせなかった.これはBinary toxin産生株においても同様であったが,これらの症例の中で難治例,再発例では低アルブミン血症,高度の炎症反応,高熱などを示していた. 検出菌の薬剤感受性検査ではキノロン耐性が多くみられたものの,Vancomycin(VCM)やMetronidazole(MNZ)への耐性はみられなかった. 新たな診断法として迅速毒素検出法(Nucleic Acid Amplification Test:NAAT)を試行した.その結果,毒素検出精度は現在汎用されているイムノクロマト法の率57%から93%まで向上,今後のCDI診断への有用性が示唆された. 治療については,ほとんどの例でVCMが投与されており,VCMとMNZの薬剤間の比較はできなかった.VCMの投与量,投与期間と治療経過との間に有意な関連はみられなかった.
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