わが国においてClostridium difficile感染症(CDI)の的確な診断,治療法,院内感染防止対策の確立が求められているものの,その臨床像は未だ十分把握されていない.CDI診療の指針策定の参考となるデータを提示する目的で,CDI症例および検出菌の解析を行った. その結果,保有する毒素遺伝子型と重症度の間に相関はみられなかった.現行治療薬に対する薬剤耐性はみられず,投与薬剤,投与量,投与期間による差異もみられなかった.毒素遺伝子迅速検出法は,現行の迅速診断法と比べ診断精度が高く,今後のCDI診断への有用性が期待できる.
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