研究課題/領域番号 |
23591485
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
三鴨 廣繁 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00262775)
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研究分担者 |
山岸 由佳 愛知医科大学, 医学部, 助教 (60512241)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | B群溶血性連鎖球菌(GBS) / 周産期感染症 / 早産 / 絨毛膜羊膜炎 / 血清型 / ペニシリン / 耐性菌 / 予防 |
研究概要 |
B群溶血性連鎖球菌(GBS) は、絨毛膜羊膜炎、早産、産褥子宮内膜炎・筋層炎、新生児肺炎・髄膜炎などの原因となる。2009年8月から2010年12月に愛知医科大学病院でGBSと同定された臨床分離株173株を対象として血清型および薬剤感受性について検討した。GBSの血清型はB群溶血連鎖球菌型別用免疫血清「生検」(デンカ生検)を用いて分類した。また、薬剤感受性試験はCLSI法に従った微量液体希釈法により測定した。GBSの血清型はIa型18株(10.4%),Ib型47株(27.2%),II型7株(4.0%),III型18株(10.4%),IV型5株(2.9%),V型26株(15.0%),VI型19株(11.0%),VII型1株(0.6%),VIII型3株(1.7%),型別不能29株(16.8%)であった。従来日本で主要な血清型であるとされてきたVI型、VIII型の比率が減少傾向にある一方で、V型が増加傾向になり、V型GBSが日本ではemergent pathogenである可能性が示唆された。薬剤感受性試験ではABPC、IPM、CTRX、CTX、CFPM、CVA/AMPC、STではすべての株が感性と判定された。EMは、感性86.7%、MINOは感性67.6%であった。LVFXは、耐性率39.9%と耐性化傾向が認められた。LVFX耐性GBS血清型は、Ib42株(61.0%)、型別不能14株(20.3%)、Ia7株(10.1%)などであった。GBS感染症の周産期予防に使用されている抗菌薬であるペニシリン系薬の耐性は認めなかったが、キノロン薬耐性化傾向を認め、今後の動向に注意を払う必要があると考えられた。また、LVFX耐性株では血清型Ib型が6割を占めており、薬剤耐性と血清型の関連性について今後も検討する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GBSの疫学解析が順調に進展しており、全妊婦のGBS保菌検査の必要性、保菌検査の至適時期・採取部位・培養手技、血清型別抗体価スクリーニングの有用性、GBS保菌妊婦に対する抗菌薬投与の必要性について明らかになりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのGBSに関する疫学解析により、日本において血清型V型がemerging pathogenであることが明らかにされつつあり、今後血清型V型に関する研究を進める必要性が出てきている。また、これまでに検討対象としたGBS173株以外の臨床分離GBSの中に、一次判定でペニシリン低感受性株と判定される株があり、これらの株について、慎重に検討していく必要性がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
血清型V型と判定された株について詳細な検討を実施するとともに、検討するGBSの菌株数を増加させて、本当に血清型V型がemerging pathogenにあたるのかどうかの検討を進める予定である。さらに、追加検討対象とする予定のGBSに関して、一次判定でペニシリン低感受性と判定された株については、分子疫学的な解析も進める予定である。
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