研究課題/領域番号 |
23591486
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
林 周平(鄒平) 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40322185)
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研究分担者 |
奥野 寿臣 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10221152)
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キーワード | 感染防御 / ウイルス |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)はHIV-1と同様にCD4陽性T細胞やマクロファージに感染し、感染細胞を死滅させる。しかし、HHV-6感染症患者はCD4陽性T細胞が減少せず、免疫不全状態にならない。これは生体内でHHV-6に対する何らかの宿主免疫防御が働くからであるが、その機構についてはまだ解明されていない。我々は宿主細胞分子であるS100A8やS100A9の発現がHHV-6感染により誘導されることを明らかにした。当該研究の目的は、S100A8、S100A9がウイルス感染を制御するか否かについて解明するものである。HHV-6には、二つのバリアントがあり、HHV-6AとHHV-6Bに分けられる。HHV-6Bの初感染は突発性発疹であり、HHV-6Aに関してはその病態は現在のところ不明である。S100A9 とHHV-6BがコードするU83タンパク質との相互作用することが明らかにされた。そこで、S100A9とHHV-6BにコードされるU83タンパク質との相互作用がHHV-6感染機構や病原性において何らかの役割を果たしていると考えている。今年度は、S100A9とHHV-6Bにコードされるウイルス性ケモカインであるU83タンパク質との相互作用についてさらに解析した。その結果、S100A9がU83タンパク質のN末端の領域と結合し、HHV-6AにコードされU83タンパク質と結合しないことが明らかにされた。また、U83蛋白がS100A9蛋白の分泌を阻害しないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究助成により、我々はU83がS100A9と結合する領域を明らかにした。また、S100A9がHHV-6AにコードされU83タンパク質と結合しないことを明らかにした。さらに、U83蛋白とS100A9蛋白の相互作用がS100A9タンパク質の分泌を阻害しないことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後引き続き、S100A8、S100A9によるHHV-6感染を制御する機構についての解析を進めて行く。S100A9とHHV-6BにコードされるU83タンパク質との相互作用がHHV-6の感染機構や病態においての役割を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
①U83蛋白はウイルス性ケモカインである。HHV-6感染により誘導されたS100A9がU83蛋白と結合し、U83蛋白が細胞質内にとどまり、細胞外に分泌されなくなると考えているので、今後、S100A9がU83蛋白分泌に影響を与えるかどうかについて解析する。 ②HHV-6感染によるS100A8、S100A9の発現がどのウイルス遺伝子によって引き起こされるか、また、どのシグナル伝達経路に関連するかを検討する。
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