研究概要 |
(材料)2012年2月に実施した試験より得られたクロストリディウム・デフィシル菌61株を対象とした。5株が保存より発育しなかったため、56株を用いて検討した。 (結果)1.cdtAおよびcdtBのPCR両遺伝子はすべて陰性であり、今回検討した56株いずれもbinary toxin非産生株であった。2.tcdCのPCRtcdCは、tcdAおよびtcdBが陰性であった12株は当然陰性であり、これらを除く44株中40株がPCR陽性であった。3.tcdCの塩基配列の決定 tcdC陽性となった40株について塩基配列の決定を行った。tcdA (-), tcdB (+)の24株はすべて、GenBankに登録されているCF5, 630, BI9株のtcdCと100%一致しており、これをB typeとした。tcdA (+), tcdB(+)の16株中15株は、B typeと2ヶ所塩基が異なり、1箇所silent mutationであった。1株は、さらに2ヶ所塩基が異なっていたが、いずれもsilent mutationであった。4.薬剤感受性試験 CLSIに準拠した寒天平板希釈法にて実施した。使用薬剤は、Vancomycin, Metronidazole, Ampicillin, Clindamycin, Levofloxacin, Erythromycinの6薬剤とした。VancomycinのMICはすべて1μg/ml以下、MetronidazoleのMICはすべて0.25μg/ml以下であった。5.Ribotypingの条件検討 Primerおよび基本条件は、Stubbsら(JCM 37(2), 461, 1999)に準じて、DNA量の検討を行った。その結果、100ng/25μL reaction mixtureで実施可能であった。
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