高齢者長期療養型病院入院患者の35.7%(61名/171名)がクロストリディウム・デフィシル(以下CD)菌のキャリアであった。年齢、性、BMI、入院期間、入院の契機、診断、栄養、合併症、薬物使用歴について多変量解析を行ったところ、プロトンポンプ阻害薬が有意なキャリア化のリスク因子であった。 一大学病院入院患者では、直近10年間において307件のCD感染症が発生していた。発生率(/10,000patient days)は、年度別で最少0.72、最大2.13で推移し、同院においては直近10年間においてCD感染症の増加やアウトブレイクはなかった。また月別、季節別発生率に大きな差異は認めなかった。
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