研究課題
潜因性West症候群23例において発症時と月齢12カ月、24カ月に拡散テンソル画像(DTI)を撮像した。DTIは3T-MRIを用いMPG 12方向で撮像した。解析にはFSL (The Oxford FMRIB Software Library)のtract-based spatial statisticsを用い、中枢神経疾患が否定された小児を対照とした。個人のfractional anisotropy (FA)画像を標準・平均化しそのskeletonに個々のFAを投射し、skeleton上で患者と対照で有意差のある部位を検出した。有意差のみられたskeletonにおける各患者の平均FA、mean diffusivity (MD)、神経線維に平行な拡散λ1、神経線維に垂直方向の拡散(λ2+λ3)/2を算出し、対照、発達指数、脳波所見、発作予後と比較した。その結果、生後12カ月のDTIでは広範な大脳白質のFA低下がみられた。有意差のみられたskeletonにおける平均(λ2+λ3)/2は患者で有意な上昇がみられ、λ1は差がなかった。有意差のみられたskeletonにおける平均FAは12カ月時の発達指数と正の相関、MDおよび(λ2+λ3)/2は負の相関を示した。治療後に脳波異常やてんかん発作が存続した患者では特にFAの低下、(λ2+λ3)/2の上昇が強かった。生後24カ月のDTIは患者全体では対照と有意差はみられなかったが、発達指数70未満の患者に限定すると対照と比較して広範な大脳白質のFA低下が存続していた。PETで局在する集積低下がみられた患者では、PETの集積低下と2歳におけるFA低下の左右が一致していた。1歳時の広汎なDTIの異常は髄鞘化遅延を反映している一方で、予後不良の患者で2歳でも存続しているDTIの異常は皮質形成異常など潜在する病変に関連している可能性がある。
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