研究概要 |
H24年は、遺伝性疾患データベース、遺伝子解析系について以下を行った。 1)診断用ソフトウェアの改良: 遺伝性疾患データベースを2013年の最新のデータに更新し、各疾患について候補遺伝子および変異報告をリストアップした。 2)解析群の分類と定量PCR-HRM解析条件の設定: (1) Bohring-Opitz症候群の原因遺伝子ASXL1遺伝子、エクソンで、PCR解析が一定の条件で行えるよう、primerの設計を厳密に行った。Primer設計は、Genetyx softwareを使用し、annealing温度が60℃-64℃になるように設定した。条件設定を行っている上で、HRM法の精度や感度には使用する蛍光試薬が重要となることが判明したため、HRM法で使用する最適な蛍光試薬の検討も行った。EvaGreen, LCGreen Plus, SYTO9の3蛍光試薬を用い、FGD1遺伝子を指標として、 至適濃度、PCRに与える影響、HRMの検出感度、について検討したところ、SYTO9が最もqPCR-HRM法に適していることが分かった。 3)HRMによる変異スクリーニング解析: FGD1, MLL2, CD96, ASXL1,遺伝子について、患児検体でのスクリーニングを行った。スクリーニング陽性となった領域は、ダイレクトシークエンス解析で変異の有無を確認した。ダイレクトシーケンス解析との比較では、検出できない変異が1種類(1/32)認められた。検出できた変異の再検出率(再現性)は100%であった。 4)変異スクリーニングプレートの作製: Aarskog-Scott症候群、Opitz三角頭蓋症候群、自閉症に加え、Kabuki症候群、Bohring-Opitz症候群の各原因、関連遺伝子ごとに96wellプレート1~2枚で定量PCRからHRM解析が行えるスクリーニングプレートを作製した。
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