研究課題/領域番号 |
23591509
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
浅井 清文 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70212462)
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研究分担者 |
青山 峰芳 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70363918)
垣田 博樹 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40528949)
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キーワード | アストロサイト / 血管内皮細胞 / 血液脳関門 / インフルエンザ脳症 / サイトカイン |
研究概要 |
昨年度に引き続き、インフルエンザ脳症で高値を示すIL-6, IL-8, MCP-1などをはじめとするサイトカイン、ケモカイン(他に、IL-1beta、IFN-gamma、TNF-alphaなど)が、血液脳関門を構成する細胞である、脳血管内皮細胞およびアストロサイトに与える影響について検討を行った。さらに、中枢神経における炎症に深く関わっているミクログリアについても検討を加えた。 アストロサイトについては、申請者らが樹立したラット不死化細胞株に加え、ラット胎仔・新生仔からの初代培養細胞も用いた。また、ミクログリアについてもラット新生仔からの初代培養細胞を用いた。血管内皮細胞については、昨年度に引き続き、マウス脳血管内皮細胞の不死化細胞株を用いた。 アストロサイトの足突起は、血管内皮細胞に接し血液脳関門の機能の一部を担っていると考えられているが、その足突起に集積し、中枢神経系の水移動調節に関わっているアクアポリン4(AQP4)の発現が、サイトカインによってどのような影響を受けるか検討を行った。アストロサイトをIL-1beta、IFN-gamma、TNF-alphaで刺激し、その後のAQP4の発現変化をmRNA (RT-PCR)、タンパク(Western blot、免疫組織染色)レベルで調べたところ、これらサイトカインの刺激により、発現増加が見られること、さらに、小児急性脳症を増悪させるといわれているジクロフェナックナトリウム(以下DCF)を同時に作用させると、さらに発現上昇することが判明した。 一方、ミクログリアについては、サイトカインの刺激による実験系が確立し、各種指標を用いて、その活性化状態の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1,平成24年度においては、アストロサイトの不死化細胞および初代培養細胞を用いた研究については、ほぼ予定通り研究を進めることが出来た。また、ミクログリアについても、培養系が安定し、十分な結果を得るまでには至らなかったが、研究を進めることが出来ている。 2,血管内皮細胞については、培養条件の設定が進んでおらず、当初予定していた、血管内皮細胞とアストロサイトの共培養系を用いた実験の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1,平成25年度においては、24年度に引き続き、アストロサイト、ミクログリアにおいて、サイトカインやケモカインを作用させたときの遺伝子変化の検索を引き続き進める。とくに、血液脳関門の傷害につながるMatrix metalloproteinaseの発現に注目し、研究を進める予定である。 2,血液脳関門の形成状況をモニタリングするために、蛍光タンパクを融合させたAQP4を発現したアストロサイト細胞株を作成し、脳血管内皮細胞との共培養系にて利用することを計画している。ただし、AQP4のN末またはC末には、それぞれ機能があり、従来の融合タンパクのようにAQP4のN末またはC末に融合させることが出来ないため、途中に挿入する必要があり、工夫が必要となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度より持ち越した研究費は、研究が遅れている脳血管内皮細胞の培養、および共培養系の器具の購入に充てる予定である。今年度の予算については、当初の予定通り執行したいと考えている。
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