研究課題
本研究の最終的な目標は、ステロイドホルモン生合成の律速段階であるミトコンドリア外膜から内膜へのコレステロール転送の分子機構を解明すること、である。当該期間では、steroidogenic acute regulatory protein (Star)欠損マウスとヒトSTAR欠損症(先天性リポイド副腎過形成症)の性腺組織を解析し、前年度までに報告した胎生17.5-18.5日のStar欠損マウスの副腎皮質組織と同様のマクロファージ浸潤の有無を検討した。以下に具体的な研究結果を記載する。1) 週齢8のStar欠損成獣マウスの精巣および卵巣をマクロファージに特異的な免疫組織染色で解析し、有意なマクロファージ浸潤が見られないことを確認した。2)ヒトSTAR欠損症(先天性リポイド副腎過形成症)で摘出された乳児期(0-1歳)の精巣と成人期の卵巣をマクロファージに特異的な免疫組織染色で解析し、成人期の卵巣でマクロファージ浸潤が見られることを確認した。以上の結果,先天性リポイド副腎過形成症の成人期の卵巣においても、Star欠損マウスの胎児期の副腎皮質組織と同様に自然炎症(homeotic inflammation)に類似したリモデリングが生じていることを提唱し、国内の専門学会で報告した。また、副腎皮質疾患におけるトランスクリプトーム解析の意義について、国内外の専門家による分担著書に投稿した。
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