研究課題/領域番号 |
23591519
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 准教授 (90211630)
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研究分担者 |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
永光 信一郎 久留米大学, 医学部, 講師 (30258454)
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
岡村 尚昌 久留米大学, 付置研究所, 助教 (00454918)
江上 千代美 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (50541778)
中島 範子 佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (10555080)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交流 / アメリカ合衆国 |
研究概要 |
発達障害の革新的介入方法としての「第7回くるめSummer Treatment Program(STP)」は、8月8日~19日に久留米市特別支援学校で実施し、24名のADHDをもつ小2~6年生の児童が参加した。その中にはASD併存例も含まれた。2週間STPの個人・グループ別行動質問紙、認知機能検査データが蓄積された。今回、2008-10にSTP2週間プログラムに参加したASD併存例12例(個別プログラム実施1例を除く)と非併存例のADHD Rating Scale, 反抗挑戦性障害症状、行動得点を比較検討した。ADHD症状、行動総合得点は、いずれの群も改善しており、両群で有意差を認めなかった。STPがASDを併存するADHD例にも少なくともADHD症状や行動改善に有効であることが示唆された。STP前後でCogHealthによる視覚認知機能や唾液cortisol検査を行った。CogHealthによる視覚認知機能のADHD児と健常児の違いを検討したところ、8~10歳健常児72例とADHD児41例とのCogHealthR比較において、Psychomotor function, Visual attention (Monitoring task, Identification task), Memory, Working memoryの5つの検査のうち、Monitoring task以外は両者に有意差を認め、健常児群の結果が良かった。有意差は、Working memoryの反応速度、正解率で顕著であった。今後は、ASD併存例と非併存例での認知機能検査の違いを検討する必要がある。グレリンに関しては、ASDを併存していないADHD児1例の採血を行った。今後例数を増やす予定である。眼球探索検査に関してはAsperger症候群のデータを蓄積し、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
STPは順調に実施され、ほぼ2週間プログラムは完成したと言える。認知機能検査、Cortisol検査に関してもデータが順調に蓄積されているが、その分析と検討に時間を要している。また、グレリン採血に関しては、ADHDや知覚過敏性があるASD児への採血ということもあり、同意取得に苦労している。
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今後の研究の推進方策 |
2012年のSTP実施と2008年から11年までのSTPに参加したASD併存ADHD児とASD非併存ADHD児との比較検討をさらに進める。ADHD rating scaleや行動面の評価だけでなく、CogHealthの変化に関してもASD併存、非併存例で差があるかも検討する。グレリンに関しては、ASD併存、非併存例ともに例数を各10例まで増やす。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的に2011年度と同様である。2013年の3月にアメリカ合衆国のSTP専門家であるWilliam E Pelham教授を日本に招いて、米国および日本のSTPの現状と課題に関して紹介するシンポジウムを開催予定である。招請のため、研究費を使う可能性がある。
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