研究課題
本研究は、既知の責任遺伝子であるSTAR遺伝子およびP450SCC遺伝子に変異が同定されない先天性副腎リポイド過形成症を対象として、新規の原因遺伝子を候補遺伝子解析の手法で検索することを目的とする。新規の責任遺伝子候補として、P450SCC活性に必要なミトコンドリア環境を構成するフェロドキシン遺伝子、フェロドキシン還元酵素遺伝子およびP450SCC遺伝子の転写制御因子であるTRef-132遺伝子を想定した。本年度は、昨年度に引き続き、グルココルチコイド単独欠損症の新規責任遺伝子として最近報告されたNNT遺伝子の解析を先行して行った。NNTはミトコンドリア内で電子伝達に関与しており、P450SCC活性に必要と考えられ、NNT遺伝子変異により先天性副腎リポイド過形成症様の表現型をきたし得ると考えられたためである。その結果、3例においてNNT遺伝子の新規変異を同定した。この3例を除いた症例で、フェロドキシン遺伝子、フェロドキシン還元酵素遺伝子およびTRef-132遺伝子の解析を行った。現在も解析は進行中であるが、SNP以外の塩基置換を同定できていない。これらの結果は、新規責任遺伝子を同定するには、アレイCGH、次世代せークエンサーなどの新規解析技術の導入が必要であること示唆すると考えられる。研究成果については、英文原著論文として4編の発表を行った。また、第95回米国内分泌学会、第86回日本内分泌学会学術総会、第47回小児内分泌学会においても、研究の成果を発表した。
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