研究課題/領域番号 |
23591525
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
東 雄二郎 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (30181069)
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研究分担者 |
西崎 有利子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, リサーチレジデント (90378901)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | モワット-ウィルソン症候群 / SIP1ノックアウトマウス / SIP1ヘテロ欠損マウス |
研究概要 |
(1)SIP1の発現領域の解析モワット・ウィルソン症候群における精神運動発達遅滞の病因の解明を目指して、SIP1の脳内における発現部位の特定を行った。SIP1の遺伝子座にin-frameでGFPを挿入したレポーターノックインマウスを用いて解析を行った。GFP抗体によって検出されるSIP1の発現は、新生仔の海馬、大脳皮質、小脳等で見られ、脳梁や海馬采のオリゴデンドロサイト、縫線核のセロトニン神経などでも確認された。(2)Mowat-Wilson syndromeのモデルマウスの作製と解析Mowat-Wilson syndromeの発症機構を知るために、この症候群のモデルマウスを使った解析は有効である。その有力な候補としてSip1遺伝子変異マウスが挙げられるが、これまでは系統維持されたSip1変異マウスを用いて解析が行われてきた。しかしMowat-Wilson syndromeは、多くがde novo型のSip1遺伝子の突然変異により生じる。そこで、新規にde novo型のSip1変異マウスを作製する系を立ち上げた。恒常的にCreを発現するCAG-Cre TgマウスとSip1+/floxマウスを掛け合わせ、受精卵の段階でSip1ヘテロ変異をde novoに生じさせた。この系を用いて生まれてきたSIP1 ヘテロ欠損マウスに関して現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析に必要な各マウス系統の入手と繁殖に時間を要してしまった点がもっとも大きい点である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)SIP1の発現部位の詳細な解析に関しては、SIP1-EGFPマウスをりようしながら、今後、周生期以降の発達段階や成体における発現分布を調べる。またこれらのSIP1発現細胞の分化におけるSIP1の役割について解析を行い、モワット・ウィルソン症候群の病態との関わりについて明らかにしたいと考えている。(2)de novo型SIP1ヘテロ欠損マウスを、解析に充分な個体数を用意し、ヒトのモワットウィルソン症候群の患者の症状と比較して、マウスにおいても同様(あるいは類似)の表現型が観察されるかどうか検討する。注目すべき表現型については、その発症のメカニズムに関して解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)引き続きマウスの飼育と系統維持、交配実験に必要な費用。および系統維持や交配実験により生じる産仔に関してPCR等を用いた遺伝子型の決定にかかる分子生物学、生化学的実験にかかる費用が必要である。(2)SIP1を含め各種目的とする遺伝子やタンパク室の発現の組織化学的解析に必要な試薬や抗体の購入にかかる費用が必要である。
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