本年度は前年度の研究を継続して行った。SIP1 floxマウスを用いて、成体の脳における機能を知る目的で、次のCreマウスと交配し、SIP1コンディショナルノックアウトマウスの作製を行った。 (1)神経細胞に分化した細胞でcreを発現するtau-creマウスと交配し、まず胎生18.5日における脳における形態的な影響があるかどうか検討を行った。しかしながらこの過程において、tau-creマウスのcreの発現が、少なくともオスの生殖細胞において発現することがわかり、tau-cre 遺伝子をオスを通して交配した場合、全身でSIP1が欠損することがわかった。現在はメスを通して交配させた場合は神経細胞特異的であるのかを検討しているところであり、確認できれば、メスを通してtau-creマウスとの交配を開始する予定である。 (2)タモキシフェン存在下で興奮神経細胞でcreが働くようになる、CamKII-creERT2マウスと交配し、成体脳におけるSIP1の機能を検討する。成体脳においてはSIP1は主に海馬錐体細胞での発現が強く、海馬でのSIP1の機能を検討することになる。現在、その形態的影響があるのかどうか観察しているところである。
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