研究課題
平成23、24年度に構築した、マウス胎仔過栄養モデルをもちいて解析した。方法は、離乳後よりメスマウスを高脂肪食下で飼育し、8周週齢時点で通常食下で飼育された雄マウスと交配させた。妊娠期間中および授乳中(仔の日齢21まで)は、高脂肪食で飼育した。仔は、日齢21日以降は通常食で飼育した。出生仔は、日齢21日の時点では、高脂肪食群で体重が増加していたが、その後コントロール群と体重の差は認めなくなった。しかし、月齢6カ月の時点で脂肪量を評価すると、高脂肪食群では、白色脂肪量が増加していた。特に、雄マウスで顕著であった。白色脂肪量の増加に一致して、耐糖能低下、インスリン感受性の低下を認めた。これらの結果は、胎仔期および授乳期における母体への高脂肪食負荷は、仔が離乳後に通常食したで飼育されても、肥満やインスリン抵抗性誘導の原因となりうることが判明した。そこで、その機序を検討するために、脂肪蓄積に関与するPPARγの発現を内臓脂肪組織で検討したところ、高脂肪食群でその発現は増加しており、脂肪蓄積増加の一因と考えられた。さらに、白色脂肪組織におけるエネルギー代謝の状態を評価した。近年、白色脂肪細胞の褐色化がエネルギー代謝に重要な役割を果たしていることが注目されているため、褐色脂肪細胞にかかわる遺伝子発現の検討を行った。Ucp1,PRDM16,Pgc1alphaなどの遺伝子発現を検討したが、高脂肪食群およびコントロール群の間で、有意な差を認めなかった。このことは、白色脂肪細胞の褐色脂肪細胞様機能低下が、脂肪量増加の原因ではない可能性が強く示唆された。
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