ヒトCD34陽性造血幹細胞への恒常的活性化変異WASPおよび変異WIP遺伝子導入とヒト化NOGマウスを用いた実験系による、X連鎖好中球減少症の発症機構およびWIP欠損症の発症機構の解析を進めたが、遺伝子導入効率が悪く中止せざるを得なかった。そのため、骨髄球系細胞株K562を用いた実験系に変更した。 その結果、WASPは一部細胞核内に局在すること、RNAポリメラーゼIIと複合体を形成して遺伝子転写制御因子として機能すること、骨髄球系細胞の分化に重要な遺伝子発現調節に関与し、特にG-CSF受容体やRUNX1の転写を制御することを見出し、X連鎖好中球減少症発症機序の重要な要因であることを提唱した。
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