研究課題
One Lambda社の抗HLA抗体および白血病に発現する表面マーカーに対する抗体による4カラーフローサイトメトリー法を用い、ハプロ移植後の患者末梢血液細胞において患者とドナー間で不一致HLA発現のモニタリングを経時的に行い、キメリズム解析、微小残存腫瘍、微小再発の同定に有用であることを確認できた。ハプロ一致移植後にHLA-LOHを生じて再発した白血病においてドナーNK細胞の傷害活性の初診時白血病と比較した変化をCr release assay法により検討し、5例中3例でHLA-LOHを生じた白血病細胞がNK細胞に対する感受性が上昇していることが証明できた。LOHを起こした患者由来白血病細胞に対するドナー由来NK細胞のキラー活性の上昇はKiller Immunoglobulin-like Receptor(KIR)に代表される抑制受容体と、同じくNK細胞上に発現する活性化受容体へ入るシグナルのバランスにより決定されると考えられ、LOHを起こす前と後で白血病細胞側にそれぞれのNK細胞受容体のリガンド(HLA, MICA/B, ULBP1-3)の発現量を同定し、変化を検討した。少なくとも患者1名でULBP2の発現がHLA-LOH後に上昇していた。ドナー由来CD158aおよびCD158b陽性NK細胞群のうち患者血液細胞に障害活性を持つアロ反応性NK細胞を同定するため、CD3,CD56,抑制性KIR受容体(CD158aおよびCD158bなど)との多重染色により、患者HLAで抑制シグナルの入らないドナー由来アロ反応性NK分画を同定する方法を確立し、10人のKIRリガンド不一致臍帯血移植後にアロ反応性NK細胞が有意に上昇することを示した(p=0.001)。また、アロNK反応性NK細胞の上昇とともに、末梢血NK細胞の患者由来PHA-Blastの障害活性が上昇することも示した。
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