研究課題
(1)炎症のメカニズム~サイトカイン・ストームの原因の探索~:炎症を惹起する要因としてpathogen-associated molecular patterns(PAMPs),damage-associated molecular patterns(DAMPs)の二つの分子の存在が判明している。樹状細胞やマクロファージは細胞表面にToll-like receptor(TLR)を表出し,あるいは細胞内にも細胞内センサーを用意しており,これらの炎症惹起因子を認識する。本研究では、各種炎症性疾患において独自の蛋白質が同定できており、現在、検体数を増やして追加確認実験をおこなっている。(2)炎症性サイトカインの働きと「サイトカイン・ストーム」の病態:炎症でみられる生体反応は,本来は感染防御や免疫獲得に必要な宿主防御反応であり,この生体反応には病原微生物由来の抗原や毒性物質に反応して宿主が産生する種々の内因性メディエーターが病原因子となっており,この中でも、サイトカインは炎症の病態に中心的な役割を演じている。本研究では、炎症性サイトカインの発現・作用機序に関わる各種蛋白の解析を行い、普遍的な蛋白を同定できた(現在英文誌に投稿中のため、詳細は非公開)。(3) 小児期にみられるサイトカイン・ストーム:小児期の免疫疾患の中には、川崎病、インフルエンザ脳症、ウイルス関連血球貪食症候群、自己炎症症候群および全身発症型若年性特発性関節炎など、過剰な炎症性サイトカインが病態形成に濃厚に関わっている疾患が少なくない。とくに、川崎病やインフルエンザ脳症のように、好発年齢が0~1歳をピークとして5歳までを主体とした乳幼児特有の炎症性疾患が、特に自然免疫の解明とのかかわりの中で注目されてきている。何がこのような低年齢の子ども達の「炎症」を惹起し、なぜサイトカイン・ストームを起こしうるのかについての検討を本研究で行い、興味深い結果が得られた。現在、検体数を増やして追加確認実験をおこなっている(現時点では、非公開)
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 8件)
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