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2013 年度 実施状況報告書

JAK2遺伝子スプライシング異常をもつ新規症候群の発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591550
研究機関杏林大学

研究代表者

大西 宏明  杏林大学, 医学部, 准教授 (80291326)

研究分担者 大塚 弘毅  杏林大学, 医学部, 助教 (70439165)
渡邊 卓  杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
キーワードJAK2 / スプライシング / 骨髄増殖性腫瘍
研究概要

平成25年度までに、JAK2スプライシング変異を持つ患者家族のDNAについて、次世代シークエンサーを用いてエクソーム解析を行ったところ、患者のみに症状が生ずることに矛盾しない遺伝子異常が複数認められた。具体的には、意味のある変異がみられた遺伝子は常染色体上に座位する遺伝子が10個、およびX染色体上に座位する遺伝子が4個であった。この中から、発現の部位や機能等から本症候群に関連する可能性のある遺伝子を2個選び、これについてベクターに組み込んで現在HeLa細胞への遺伝子導入を進めている。
一方、JAK2スプライシング異常の機能解析については、種々の条件の変更を行った上で解析を行ったが、明らかなJAK-STAT系のリン酸化の亢進を示すデータは得られなかった。また、JAK2スプライシング変異を導入したトランスジェニックマウスについては、一部多血や血小板減少を示すマウスがみられたが、平均としてはコントロールマウスと比較して明らかな末梢血の血液学的異常は見られなかった。また、一部に肝臓の腫瘍が見られ、さらに病理学的な検討を行ったが、明らかな造血系腫瘍の証拠は得られなかった。
今後は、エクソーム解析で異常のあった遺伝子について、当該変異を導入した細胞を作成し、RNAスプライシングアレイやRNAシークエンシング等の手法を用いてRNAの異常について解析し、これらの遺伝子異常がスプライシング異常に関係している可能性を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

JAK2スプライシング変異導入マウスにおいて、期待されたような骨髄増殖性腫瘍が見られなかった。また、先天異常の発症も見られなかったため、先天異常患者の検体を集め、JAK2変異を検討する意義が少なくなった。

今後の研究の推進方策

今後は、エクソーム解析で異常のあった遺伝子について、当該変異を導入した細胞を作成し、RNAスプライシングアレイやRNAシークエンシング等の手法を用いてRNAの異常について解析し、これらの遺伝子異常がスプライシング異常に関係している可能性を検討する予定である。また、同時に導入細胞の性質について検討することで、患者で見られた種々の異常とこれらの遺伝子異常との関連についても検討する。

次年度の研究費の使用計画

JAK2スプライシング変異導入マウスにおいて、期待されたような骨髄増殖性腫瘍が見られなかった。そのため、実施予定であったマウスに対するJAK2阻害剤投与実験が実施不能となった。また、先天異常の発症も見られなかったため、先天異常患者の検体を集め、JAK2変異を検討する意義が少なくなった。その結果、これらの解析に要する諸費用が未使用となった。
今後は、エクソーム解析で異常のあった遺伝子について、当該変異を導入した細胞を作成し、RNAスプライシングアレイやRNAシークエンシング等の手法を用いてRNAの異常について解析し、これらの遺伝子異常がスプライシング異常に関係している可能性を検討する予定である。また、同時に導入細胞の性質について検討することで、患者で見られた種々の異常とこれらの遺伝子異常との関連についても検討する。未使用額はそのための費用として使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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