研究課題
A. 乳幼児アトピー患者 (0歳~3歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して小児喘息発症を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。15例の登録があった。この試験では喘息発症ないしは3歳まで経過観察するため、まだ有意差のついたものはない。昨年度と合計して105例となる。中間解析では喘息発作発症について有意差がついていない。しかし25OHD血清濃度はアクティブ群でプラセボ群に比較して有意に高く、また同じアクティブ群で内服前後で25OHD血清濃度の有意な上昇をみている。B. 小児喘息の診断のついたステロイド吸入薬未使用幼児 (2歳~5歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。23例の登録があった。昨年度と合わせて73例となった。中間解析では喘息発作の回数ならびに程度、cACTについて有意差がついていない。しかし25OHD血清濃度はアクティブ群でプラセボ群に比較して有意に高く、また同じアクティブ群で内服前後で25OHD血清濃度の有意な上昇をみている。C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。46例の登録あり。ビタミンD投与群ではプラセボ群に比較して、cACT score の有意な改善をみている。呼吸機能に関してはまだ有意差がついていない。しかし25OHD血清濃度はアクティブ群でプラセボ群に比較して有意に高く、また同じアクティブ群で内服前後で25OHD血清濃度の有意な上昇をみている。
2: おおむね順調に進展している
慈恵医大本院の対象患者エントリーおよびは富士中央病院の対象患者エントリーは順調であるが、佐渡総合病院については態勢はととのえたが、エントリーが全く進んでいない。特に「B. 小児喘息の診断のついたステロイド吸入薬未使用幼児 (2歳~5歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験」の進捗状況が思わしくない。しかし、A. 「乳幼児アトピー患者 (0歳~3歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して小児喘息発症を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験」と C. 「小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験」は、ある程度症例が集積された。また、C. 「小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験」の研究に関しては、cACT についてP < 0.05 で有意にビタミンDが患児のQuality of life を高めているという期待された結果を得ている。今のところ未知の副作用や、既知の高カルシウム血症などの副作用は認めていない。
24年度使用計画について:共同研究病院の見直しを行い、エントリー数を今年以上に増やす。A. 乳幼児アトピー患者 (0歳~3歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して小児喘息発症を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験:15例のエントリーを目標B. 小児喘息の診断のついたステロイド吸入薬未使用幼児 (2歳~5歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験:30例のエントリーを目標とする。C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験:40例のエントリーを目標とする。最終解析を行い論文投稿する。尚本プロジェクト結果は、今年10月にロンドンで開催される「Individual Patient Data Meta-analysis of Randomised Clinical Trials ofVitamin D Supplementation to Prevent Acute Respiratory Infection」に招待講演として発表することが決まった。
研究費は血清25OHD測定にあてる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
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