研究課題
皮膚バリアーの脆弱性と食物アレルギー発症との関連を検証することを目的として、乳幼児食物アレルギー患者の病態とfilaggrin遺伝子(FLG)の関連について検討した。対象は、食物アレルギーを疑い、藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院と関連施設を受診した、生後9ヵ月から14ヵ月の乳幼児116例とした。本研究は当該研究期間の倫理委員会の承認を得て行い、対象の保護者からは、文書による説明と同意を得た。前年度までに、FLG機能喪失変異(日本人で既知の8変異) およびFLG領域のSNPについて、Custom TaqMan SNP Genotyping Assayを用いて解析し、臨床所見、検査所見との関連を検索して、FLG遺伝子promoter領域に存在するSNPと、感作食品数および鶏卵、牛乳のImmnoCAPクラスとの関連が認められた。これらの関連は、FLGの機能喪失変異を有する症例を除いても認められ、本SNPが未知の機能喪失変異、あるいは、発現に影響を与えるpromoter活性と連鎖不平衡にあると考えられ、食物感作に及ぼすFLGの関与を示唆する新たなevidenceと考えられた。本年度は、FLGの機能と食物アレルゲン感作の関連をさらに検討する目的で、同じコホートを対象に、FLG遺伝子のcopy number variation(CNV)について、long PCRを用いて解析したが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー感作との有意な関連は認められなかった。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件)
Ann Allergy Asthma Immunol.
巻: 110 ページ: 380-385
10.1016/j.anai.2013.02.015
巻: 110 ページ: 388-390
10.1016/j.anai.2013.02.003