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2011 年度 実施状況報告書

新規レチノイドによる急性前骨髄球性白血病細胞分化のエピジェネティクス機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591558
研究機関大阪医科大学

研究代表者

井上 彰子  大阪医科大学, 医学部, 助教 (90330076)

研究分担者 瀧谷 公隆  大阪医科大学, 医学部, 助教 (80319540)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード急性前骨髄球性白血病 / レチノイド / エピジェネティクス
研究概要

急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia; APL)に対するall-trans retinoic acid (ATRA)療法は、APLの染色体15;17転座に伴うPML/RAR融合遺伝子を標的とした分子標的療法である。APLの治療はATRAによる分化誘導療法であり、ATRAと化学療法の併用により高い寛解率(88-95%)と長期生存が得られるようになった。しかし、ATRA耐性細胞の出現が、分化誘導療法の大きな壁となっている。その原因として、薬物代謝の亢進、MDR遺伝子の出現、PML/RAR融合遺伝子の変異などが考えられる。近年、難治性APLに対応するために、新規化合物の創薬が報告されている。またATRAの分化誘導療法において、細胞分化のエピジェネティクス機構が解明されつつある。本研究では、新規レチノイドにおいて、APL細胞およびATRA耐性APL細胞分化のエピジェネティクス機構への影響を検討する。現在の進行状況は、下記の通りである。1)APL細胞において、レチノイドにより誘導される標的遺伝子群の解析レチノイド化合物をAPL細胞に添加し、RNAを抽出、マイクロアレイを実施した。その結果、抗菌ペプチド(defensin)の発現が上昇した。2)レチノイドがRAR/PML融合タンパク質とMLL5の相互作用に及ぼす影響レチノイド化合物の存在下で、MLL5およびRAR/PML融合タンパク質の転写活性への影響および両蛋白の相互作用を検討する。現在、発現ベクターを構築している。PCR法にて、MLL5遺伝子を増幅し、CMVベクターに組み込む。また、蛍光標識をするために、PML/RAR-CFPベクター、MLL5-YFPベクターを同様に構築している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「レチノイドにより誘導される標的遺伝子群の解析」において、細胞の準備に少し時間がかかった。「レチノイドがRAR/PML融合タンパク質とMLL5の相互作用に及ぼす影響」の実験において、発現ベクター(MLL5-CMV、PML/RAR-CFP、MLL5-YFP)の構築に時間がかかってしまった。

今後の研究の推進方策

1)レチノイドがRAR/PML融合タンパク質とMLL5の相互作用に及ぼす影響転写活性実験(ルシフェラーゼアッセイ)を行う。レチノイド化合物の存在下で、MLL5発現ベクター、RAR/PMLベクター、RARE応答配列-pGL3ベクターをCos細胞にトランスフェクションする。MLL5のRAR/PML融合蛋白の転写活性の影響を検討する。2)レチノイド添加によるヒストン蛋白メチル化の影響Flag tag MLL5-CMVベクターを構築し、新規レチノイドの添加細胞にトランスフェクションする。抗H3-リジン4抗体にてWestern blotを行い、メチル化を確認する。

次年度の研究費の使用計画

合計140万円の内訳は、分子生物実験試薬代 80万円、培養細胞試薬代 20万円、プラスチック製品代 10万円、抗体試薬代 30万円の予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sustained molecular remission after arsenic trioxide and gemutuzumab ozogamicin in a pediatric patient with relapsed acute promyelocytic leukemia.2012

    • 著者名/発表者名
      Akiko Inoue, Chihiro Kawakami, Kimitaka Takitani, and Hiroshi Tamai
    • 雑誌名

      Pediatric Hematology and Oncology

      巻: 29 ページ: 170-172

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GVHDを合併したC型慢性肝炎に対するインターフェロン治療経験2011

    • 著者名/発表者名
      井上彰子,河上千尋,青松友槻,宮崎敬士,瀧谷公隆,余田 篤,玉井 浩
    • 雑誌名

      日本小児血液学会雑誌

      巻: 25 ページ: 26-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小児急性前骨髄球性白血病に対するATO/GOの使用経験2011

    • 著者名/発表者名
      井上彰子,河上千尋,瀧谷公隆,玉井 浩
    • 雑誌名

      日本小児臨床薬理学会雑誌

      巻: 24 ページ: 78-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Induction of apoptosis by γ-tocotrienol in human cancer cell lines and leukemic blasts from patients: dependency on Bid, cytochrome c and caspase pathway.2011

    • 著者名/発表者名
      Akiko Inoue, Kimitaka Takitani, Maki Koh, Chihiro Kawakami, Tomoko Kuno, and
    • 雑誌名

      Nutrition and Cancer

      巻: 63 ページ: 763-770

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acute monoblastic leukemia that switched lineage at relapse to acute lymphoblastic leukemia: A case report2011

    • 著者名/発表者名
      Akiko Inoue, Chihiro Kawakami, Kimitaka Takitani, and Hiroshi Tamai
    • 雑誌名

      Journal of Pediatric Hematology / Oncology

      巻: Dec31 ページ: 1-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 造血幹細胞移植時のリコンビナントトロンボモジュリン使用経験-小児3症例-2012

    • 著者名/発表者名
      井上彰子、河上千尋、玉井 浩
    • 学会等名
      第34回日本造血細胞移植学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2012年2月
  • [学会発表] 造血幹細胞移植前後にAzacitidineを投与した治療関連骨髄異形成症候群2011

    • 著者名/発表者名
      井上彰子、河上千尋、玉井 浩
    • 学会等名
      第53回日本小児血液学会・第27回日本小児がん学会
    • 発表場所
      群馬
    • 年月日
      2011年11月
  • [学会発表] 小児急性前骨髄球性白血病に対する三酸化ヒ素による治療の実態調査2011

    • 著者名/発表者名
      高橋 浩之、富澤大輔、盛武 浩、照井君典、井上彰子、日野もえ子、金井理恵、
    • 学会等名
      第53回日本小児血液学会・第27回日本小児がん学会
    • 発表場所
      群馬
    • 年月日
      2011年11月

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公開日: 2013-07-10  

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