研究課題/領域番号 |
23591565
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
澤田 博文 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30362354)
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研究分担者 |
丸山 一男 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181828)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
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キーワード | 肺高血圧 |
研究概要 |
培養細胞を用いて、siRNAによりBMPR2を減少させた場合、TNF-αなどの炎症刺激や低酸素によるストレスが増強されることをしめした。これらの、培養細胞で見られる現象のin vivo での意義を検討するため研究を行っている。 まず、これまでに、動物モデルの確立を目指し、TNF-αの投与による、肺高血圧モデルが作成可能か検討を行った。BMPR2(+/-)とコントロールマウスにTNF-αを投与し、肺高血圧、血管病変を検討した。2週間後、肺高血圧を評価した。BMPR2マウスで優位な右室圧の上昇は見られなかった。 TNF-αのみによる肺高血圧モデル作成は困難であったため、モデルの誘発方法に関して、再考し、低酸素、肺高血圧を誘発するSugenを用いた刺激によるモデル作成を試みた。BMPR2(+/-)にSugen投与後、3週間低酸素とし肺高血圧、血管病変を検討した。これらにより、BMPR2(+/-)マウスでは、コントロールに比してより高度の肺高血圧を生じる傾向が示された。また、Math6(ー/ー)マウスを用いて、低酸素に対する肺高血圧、血管病変の形成について初期の検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画書に記載した目標1)『BMPR2(+/-)マウス、Math6(-/-)マウスにTNF-αを投与し、コントロールに対して、より高度のGM-CSFなどの炎症性メディエータ上昇、肺高血圧性肺血管病変が形成されるかを検証する。』にそって、検討を開始した。TNF-αの投与により、高用量でGM-CSFが誘導されることが示されたが、その量は、血管病変形成を検討するには、敗血症様症状により致死的であることが判明し、それよりも低用量では右室圧上昇が惹起されないことが明らかとなり、TNF-αのみによる肺高血圧モデル作成困難な可能性が出ている。そのため、モデルの誘発方法に関して、再考し、炎症刺激に加えて、低酸素、さらには最近報告された、肺高血圧を誘発するSugenを用いた刺激によるモデル作成を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
マウスにおいてはTNF-αのみによる右室圧上昇が惹起されないことが明らかとなり、投与量の検討から、肺高血圧モデル作成は困難であった。そのため、炎症刺激に加えて、低酸素、肺高血圧を誘発するSugen5416を用いた刺激によるモデル作成を検討した。これらは、申請書時にも代替的アプローチとして考慮していた内容である。我々の培養細胞を用いた検討では、siRNAを用いてBMPR2を減少させた細胞では、低酸素に対するストレス応答も変化することが見られたため、Sugenによる肺高血圧誘発作用にも、BMPR2が影響していれば、非常に意義深い所見である。初期データでは、BMPR2(+/ー)マウスで肺動脈圧が高く、今後Math6モデルも含めて検討を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
BMPR2の肺高血圧病変形成での役割の解明のため、動物モデルを用いた検討であり、次年度も、主に、マウスモデルの作成を行うため、マウス飼育、PCRなど遺伝子型解析、圧の測定、免疫染色やElISAなど血管炎症の評価、血管病変評価に使用する試薬の購入に研究費を使用する予定である。
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