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2011 年度 実施状況報告書

肝臓における周産期の糖・脂質代謝ダイナミズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591566
研究機関大阪大学

研究代表者

近藤 宏樹  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10373515)

研究分担者 和田 和子  大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (30294094)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードFGF21 / 低出生体重児 / DOHaD / 肝発生 / メタボリックシンドローム
研究概要

最初に、子宮内発育遅延マウスの作製に着手した。基礎データを集めるため、生後8週齢のマウスを交配し膣栓を確認した後、8%蛋白制限食群と20%蛋白食(通常食)群の2群に分け、飼育を行った。新生仔の身長、体重を測定し、子宮内発育遅延のデータを確認後、各臓器のサンプリングを行う予定であった。しかし、妊娠中のストレスからくると思われる死産や母親マウスが新生仔を食べてしまうといった問題に見舞われ、サンプリングが遅延しているため、マイクロアレイ解析には至っていない。 次に、子宮内発育遅延と同様に乳児期より体重増加不良、成長障害、脂溶性ビタミン吸収障害をしばしば来す、胆汁うっ滞性肝障害罹患児における糖・脂質代謝のダイナミズムについて検討するべく当施設倫理委員会に臨床研究計画書を提出し承認を得た。対象は、当院にて胆汁うっ滞性肝障害のため肝移植を実施した胆道閉鎖症、アラジール症候群、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の患児とし、肝芽種やオルニチントランスカルバニラーゼ欠損症にて肝移植を行った児を対象とした。同意を得て得られた血清と肝移植時の摘出肝を用い、FGF21に加え同様にホルモン用の作用を示し体内の胆汁酸プールを制御するFGF19の測定をELISAにて行った。すると生理的には肝臓では発現の少ないFGF19が胆汁うっ滞肝では著明に高値を示しており、新たな知見が得られた。FGF21に関しても胆汁うっ滞群で明らかに高い傾向があり、現在、さらに肝臓内における糖・脂質代謝に関わるシグナル伝達経路につき、どの経路が活性化され、また抑制されているかにつきmRNAレベルおよびタンパクレベルにて解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

まず、血清および肝組織中のFGF21、FGF19濃度測定のためELISA法によるアッセイ系を確立した。次に発現細胞の同定のために、in situ hybridizationを行う事とし、プローブ作成のためhuman FGF21およびFGF19のPCRクローニングを行った。これをもとにプローブ作成を行い、各組織においてin situ hybridizationを行い、発現細胞を確認する。 子宮内発育遅延マウスの作製に関しては、妊娠中のストレスからくると思われる死産や母親マウスが新生仔を食べてしまうといった問題に見舞われ、サンプリングが遅延している。現在、実験系を安定化させるべく、トラブルシューティング中である。

今後の研究の推進方策

子宮内発育遅延マウスについては現在、トラブルシューティング中であるが次年度中には新生仔の身長、体重、ならびに肝臓および脂肪組織の重量を測定し、肝臓中のグリコーゲン貯蔵量、トリグリセリド含有量、血清中の血糖、インスリン、βヒドロキシ酪酸、トリグリセリドを測定し、両群におけるインスリン抵抗性、ケトン合成能、脂肪分解能を比較する。さらに、胎仔肝における遺伝子発現プロファイルの違いをマイクロアレイ法にて比較する予定である。 また、ヒト胆汁うっ滞性疾患に関する知見は、早期に実験結果をまとめ、論文作成を行う。

次年度の研究費の使用計画

前述の通り、予定の遅れを挽回すべく、子宮内発育遅延マウスについて次年度中には新生仔の身長、体重、ならびに肝臓および脂肪組織の重量を測定し、肝臓中のグリコーゲン貯蔵量、トリグリセリド含有量、血清中の血糖、インスリン、βヒドロキシ酪酸、トリグリセリドを測定し、両群におけるインスリン抵抗性、ケトン合成能、脂肪分解能を比較する。さらに、胎仔肝における遺伝子発現プロファイルの違いをマイクロアレイ法にて比較する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Major role of apolipoprotein B in cycloheximide-induced acute hepatic steatosis in mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Murakami M, Bessho K, Mushiake S, Kondou H, Miyoshi Y, Ozono K
    • 雑誌名

      Hepatol Res

      巻: 41(5) ページ: 446-454

    • DOI

      10.1111/j.1872-034X.2011.00791.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prospective Isolation and Characterization of Bipotent Progenitor Cells in Early Mouse Liver Development.2011

    • 著者名/発表者名
      Okada K, Kamiya S, Ito K, Yanagida A, Ito H, Kondou H, Nishina H, Nakauchi H
    • 雑誌名

      Stem Cells Dev

      巻: 18 ページ: -

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10   更新日: 2013-09-18  

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