研究課題
昨年度に引き続き、日本人に認められるHLAの型を保有しない健常者をドナーとして、末梢血から単核球を分離し、その単核球にEBウイルスを感染させて樹立したBリンパ球系の細胞株(KI-LCL)と、日本人に普遍的に保持されるHLAハプロタイプを持つ健常者から同様に樹立したBリンパ球系の細胞株(TA-LCL)を用いて、先天性白皮症、好中球巨大顆粒を有しChediak-Higashi症候群と診断された患者さんで、血球貪食症候群(HLH)を合併した患者と合併していない患者のについてリンパ球機能解析を行った。CTLはT細胞受容体を介して抗原を認識し、小胞体からのPerforin、Granzymeを放出し標的細胞を障害する。小胞体からの脱顆粒が生じた際に表出されるCD107a抗原をフローサイトメトリーで検出し、CTLの脱顆粒機能の評価を行った。その結果、患者CTL細胞は正常Controlと比較して脱顆粒機能が低下していることが判明した。このように末梢血リンパ球にEBウイルスを感染導入する事によって、Bリンパ球系細胞(LCL)を樹立した。この細胞を使用し、免疫不全患者のCTL機能解析を行うことによって、血球貪食症候群の発症メカニズムの理解と造血幹細胞移植の適応の判断に大きく役立つことが期待できる。
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