研究課題
慢性活動性EBウイルス感染症は小児に多くみられる予後不良の疾患である。これまでの慢性活動性EBウイルス感染症の研究では、疾患特異的細胞側遺伝子の解析データは十分に蓄積されているとは言えない現状である。しかも従来の研究は細胞株を使ったin vitroのデータが多く、患者in vivoでの病態を正確に反映しているとは限らない。本研究では生体内に近い状態にある細胞側の遺伝子発現を解析し、慢性活動性EBウイルス感染症特異的に発現変化する遺伝子の同定を行なった。慢性活動性EBウイルス感染症患者末梢血よりリンパ球を分離し、培養に供することなくRNAを抽出し、cDNAを合成した。遺伝子発現のプロファイリングはPCRアレイシステムを用いて行った。コントロールとして健常人の末梢血リンパ球を用いた。PCRアレイで得られたデータはΔΔCt法により患者サンプルと対照コントロール群間での比較解析を行った。10倍以上の発現亢進が認められた遺伝子IL10、IL2、IFNGR1、INHBA、IL-12B、SFTPDについて、定量的RT-PCR法でmRNA発現レベルを確認した。これら遺伝子の中で、10倍以上の発現亢進がみられた遺伝子はIL10、IL2、IFNGR1、INHBAであった。これらは慢性活動性EBウイルス感染症を特徴づける異常な免疫反応や持続する炎症に関与、あるいは細胞の増殖に関わる遺伝子であり、慢性活動性EBウイルス感染症の発症・進展に重要な役割を果たすものと示唆された。
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Heart Vessels
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http://www.kochi-ms.ac.jp/~fm_pdatr/