研究課題
これまで、小児下痢症患児由来大腸菌において、腸管凝集性大腸菌(EAEC)がESBL(基質拡張型βラクタマーゼ)を有意に多く産生しており、ESBL産生EAECは2003年から検出され2007~2008年に多く見られたことを報告した。またそのO血清型はO25、O63、O153が多く、O111やO126を中心としたこれまでのEAECとは異なることを明らかにした。平成25年度は、ESBL産生EAEC 増加のメカニズムを探るために、ESBL産生EAEC 株についてその特徴を分析するとともに、他の EAEC160株とともに MLSA (multi locus sequence analysis) による系統解析を行った。ESBL産生EAEC 31株のESBL遺伝子型はすべてCTX-M-14型であり、74.2%がO25:H4:ST131であった。MLSAではそれらは系統分類B2群(腸管外病原性大腸菌)に属し、O111、O126、O86が属するB1群と明らかに異なる系統に属していた。さらに、このクローンは尿路病原性大腸菌でみられるafimbrial adhesin (afa) 遺伝子を保有していた。EAECの調節転写因子であるAggR遺伝子の系統解析では、このクローンのAggRはO111とほとんど一致し、O126やO86とは異なる系統であった。以上の結果から、2003年頃から尿路病原性大腸菌O25:H4:ST131クローンが、ESBL遺伝子CTX-M-14を獲得後、または同時に、EAEC O111からAggRをプラスミド性に獲得し、小児のあいだで伝播したことが示唆された。
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