研究課題/領域番号 |
23591575
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
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研究分担者 |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90423798)
鈴木 順造 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20171217)
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キーワード | 腎糸球体障害 / 腎組織再生 / M2マクロファージ / VEGF / Angiopoietin 1 / HUS / ケモカイン |
研究概要 |
[研究の目的・背景] 腎障害からの再生過程とマクロファージとの関連性を明らかにするため、重度の腎障害モデルである(Hemolytic Uremic Syndrome:HUS)マウスモデルを使用した。特に、糸球体内皮細胞障害からの再生機序を明らかにするため、重症度の異なるHUS類似病変マウスを作製し、糸球体・尿細管障害とその回復過程における血管新生増殖因子(VEGF, Ang1)の発現度と組織内のマクロファージサブクラスの浸潤度およびその病態におよぼす役割に関して検討した。 [研究の内容・方法] リポポリサッカライド(LPS)とShiga Toxin2を用いた軽症と重症のHUSマウスモデルの作製と腎障害からの再生過程における再生因子と腎組織内浸潤マクロファージサブクラスの役割に関する解析を行った。作製したHUSマウスモデルを、各々の腎組織的変化を光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて経時的に解析した。採取した血液検体を用いて、血清クレアチニン、アルブミン濃度に加え各種サイトカインやケモカイン濃度をELISA kitを用いて測定した。 [研究の結果・成果]致死群マウスでは腎障害に対する回復機序はみられなかったが、軽症群マウスはメサンギオリーシスや内皮細胞障害後にメサンギウム細胞や内皮細胞の増殖が出現した。この時期にあわせて内皮細胞にVEGFとAngiopoietin1の発現が強くみられ、かつM2マクロファージの腎組織内浸潤が高度に認められ、血清中のMIP1alfa、MIP1beta、MIP2、MCP1、MIGなどのケモカイン高値であった。 [結語]これらの結果よりVEGFとAngiopoietin1およびMIP1,2、MCP1、MIGなどのケモカインに加えM2マクロファージが糸球体内皮細胞障害からの回復機序に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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