胎児期において正常な肺血管を構築する血管内皮細胞由来の新規肺血管新生因子を探索することを目的に、肺血管内皮細胞を用いたマイクロアレイ解析を実施した。発生に伴い発現量が大きく変化するTbx4とSca-1に着目し、肺組織における発現様式を定量PCR法やin situ hybridization法によって観察し、さらに、肺間葉系細胞初代培養を用いて血管新生能に対するTbx4の役割をin vitroで解析した。また、肺血管における2型イノシトール三リン酸受容体に着目し肺高血圧症における役割をノックアウトマウスを用いて個体レベルで解析し、肺高血圧症の重症化を抑制する新たなメカニズムの可能性が示唆された。
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