慢性腎臓病の発症はネフロン数に左右される。私達はネフロン数決定要因である尿管芽分岐に関与する分子の研究を行いcaspase-3という酵素が重要であることを見いだした。Caspase-3の下流にある分子b-cateninを活性化する薬物療法を母体低栄養ラットに試みたが副作用のため不成功であった。 新たなネフロン数増加のアプローチとして胎内の栄養により遺伝子の発現が変化する機構の一つDNAメチル化を調べた。母体低栄養によりDNAメチル化が変化している腎発生関連の遺伝子のほとんどが尿管芽分岐に関与していた。DNAメチル化修飾によりネフロン数を増やす治療法が可能かもしれない。
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