研究課題/領域番号 |
23591587
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
深澤 隆治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80277566)
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研究分担者 |
小川 俊一 日本医科大学, 医学部, 教授 (50194436)
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キーワード | 血管炎 / 川崎病モデルマウス / CAWS / 川崎病 / 免疫異常 |
研究概要 |
Candida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS) により血管炎を生じさせたDBA/2マウスでは、特にTNFa受容体拮抗薬のEtanerceptが血管炎を著明に抑制した。Etanerceptは、血清サイトカインのInterleukin (IL)-6、IL-12、IL-13、TNFaの上昇を著明に抑制した。血中白血球の遺伝子プロファイリングでは、Etanerceptにより抑制された遺伝子は、defense response, immune system process, inflammatory response, innate immune response, tumor necrosis factor superfamily cytokineに関わる遺伝子群であった。さらにパスウェイ解析では、特にInnate Immunityに関わるパスウェイが著名に抑制されていた。 以上の結果をもとに、CAWSによる血管炎惹起にはInnate immunityからTNFやIL-6といった炎症性サイトカインの活性化につながる免疫システムの活性化が必要と考え、以下の実験を施行中である。① innate immunity の関与をIL-1beta受容体阻害薬やIL-1beta knock out mouse、またToll like receptor knock out mouse を用いて検討する。② innate immunity の活性化後、血管炎の進展に炎症性サイトカインがどのように関与するのかをTNF knock outマウスやIL-6拮抗薬(トシリズマブ)を用いて検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
knock out mouse の繁殖に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
① Innate immunity の血管炎への関与の検証:IL-1betaからのシグナルがCAWS血管炎惹起に必要なのか否かをIL-1beta receptor antagonist (IL-1Ra) 、IL-1beta receptor knock out を用いて検証する。また、Toll like receptorからのシグナルもCAWS血管炎惹起にどのような役割を担うのかをknock our mouseを用いて検証を行う。 ② Innate immunity 活性化後の血管炎の進展に関する炎症性サイトカインの役割についての検討:Innate immunity 活性化後の炎症性サイトカインの役割について、TNF knock out mouse、IL-6 antagonist(トシリズマブ)を用いて検討する。 ③ CAWS血管炎と川崎病血管炎との類似性の検討:CAWS血管炎に必要なシグナル経路が、川崎病においてどの程度活性化されているのかを実際の川崎病患者血清、血球をを用いて検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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