CAWS血管炎におけるサイトカインプロファイルを検討し、実際の川崎病症例でのサイトカインプロファイルと対比させることで、CAWS血管炎と川崎病との類似性・相違点を検討した。 5週齢のオスDBA/2マウスにCAWS 0.5mgを連日5日間腹腔内投与することで、血管炎を生じさせ、投与後2週間のマウスの血清からBioPlex 200System を用いてサイトカインプロファイリングを行った。一方、川崎病患児の治療前の血清からBioPlex 200System を用いてにてサイトカインプロファイルを行った。測定したサイトカインは、正常コントロール(マウスではCAWS非処理マウス、川崎病でのコントロールは年齢と性別をマッチングさせた感染症(肺炎・気管支炎)にて入院となった症例)との比で表し、CAWS血管炎と川崎病でのサイトカインプロファイルパターンを比較し、その類似点・相違点を検討した。 CAWS血管炎、川崎病ともにIL-6、IL-10の上昇が著しかった。加えて、CAWS血管炎ではG-CSFの発現が高値を認めたが、全体的にはマウスCAWS血管炎と川崎病では類似するサイトカインプロファイルのパターンを呈していた。 CAWS血管炎と川崎病とにはサイトカインプロファイルにおいて類似するパターンが確認された。これまでの病理組織学的類似性、治療薬剤に対する反応の類似性から鑑みて、CAWS血管炎が川崎病モデルと考えられる可能性がより高くなったと結論された。
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