研究課題/領域番号 |
23591591
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(金沢医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
太田 和秀 独立行政法人国立病院機構(金沢医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (20283129)
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研究分担者 |
清水 正樹 金沢大学, 医学系, 助教 (10401902)
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キーワード | ネフローゼ症候群 |
研究概要 |
小児ネフローゼ症候群における再発頻度やステロイドの反応性を病初期から予測できる因子に関して検討することを目的とし、T細胞抗原受容体(TCR)構造の多様性について解析した。 平成24年度は、年度当初に論文化した結果(Clinical Nephrology 77(4): 296-304,2012)を受けて、対象を、特発性ネフローゼ症候群(微小変化型)の患者で、ステロイド剤反応性の患児のみとし検索を進めていった。更に、おなじく同論文の結果から、解析法もCD8陽性T細胞のCDR3領域のスペクトラタイピング(波形解析)に絞って解析した。このように、今年度は、ステロイド抵抗性の患児は対象から除外し、CD4陽性T細胞を解析対象から外した。なお、解析するタイミングは、変更なく以下の4ステージとした。(1)初発時、(2)再発時、(3)ステロイド剤内服中の寛解時、(4)無投薬での寛解時。 解析対象者数は、10名あまりだったが、CD8陽性T細胞では、解析結果から「多様性が失われている」患者ではやはり再発しやすい傾向にあった。 以上の結果から、予測は、CD8陽性T細胞のCDR3領域のスペクトラタイピング(波形解析)だけで十分予測できると判断できた。この結果をうけて、現在「多様性が失われている」患者を対象に病初期から、(1)普通にステロイド剤のみで、(2)免疫抑制剤のミゾリビンを併用、(3)免疫抑制剤のシクロスポリンを併用、といった3群に分けて初期治療を行い、予後を変えることが出来るかどうか検討する臨床試験プロトコールを作製している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎データーを論文化し、更にその事実の再確認までは順調に進んでいたが、臨床試験プロトコールの作製がなかなか進んでいないのが現状である。被験者が十分に納得できる臨床試験プロトコール作製に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
CD8陽性T細胞のCDR3領域のスペクトラタイピング(波形解析)だけ解析し。その結果から「多様性が失われている」つまり予後不良と判断された患者のみを対象に、病初期から、(1)普通にステロイド剤のみで、(2)免疫抑制剤のミゾリビンを併用、(3)免疫抑制剤のシクロスポリンを併用、といった3群に分けて初期治療を行い、予後を変えることが出来るかどうか検討する臨床試験プロトコールを早急に完成させ臨床試験をスタートさせる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
①解析に用いる試薬の購入 ②成果発表のための学会出張費 ③臨床試験プロトコール作製のための協力者への謝金 ④研究協力施設への配付資料の印刷代や送料
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