研究課題
小児ネフローゼ症候群における再発頻度やステロイド剤の反応性を病初期から予測できないかどうか?もし、出来るとすればどのような予測因子があるのか?といった事を、T細胞抗原受容体(TCR)構造の多様性から予測因子を検討してきた。平成26年度(最終年度)は、前年度同様に、解析方法をCD8陽性T細胞のCDR3領域のスペクトラタイピング解析(波形解析)のみに絞ったうえで対象患者数を更に増やして検討していった。T細胞抗原受容体(TCR)構造の多様性の解析結果と臨床経過を前方視的に検討できたのは、最終的に20症例であった。今回の解析法における、頻回再発型、ステロイド依存性さらにステロイド抵抗性となる予測精度は、当初の結果とほぼ同じ結果で、難治である予測の特異性は80%前後、感度が60%前後であった。感度が若干低めである事が問題かと思われた。現在、この結果を基に、予後不良とされる患者さんに対して病初期から積極的に免疫抑制剤を使用する(ただし、保険適応範囲内)新たな臨床試験プロトコールを作製したので、院内倫理委員会に申請中である。それが認められれば本格的に始動する予定である。なお、TCRのVβ領域ののレパートワ解析とCDR3領域のスペクトラタイピングの両者の解析結果を併せて解析し、ネフローゼ症候群において、異常にTCR構造の多様性が失われているクローンの解析も行った。この結果は、患者一人一人に多様性が失われている特徴的なクローンは存在しているものの、この疾患(微小変化型ネフローゼ症候群)に共通したクローンは、発見できなかった。今後の課題としては、症例数を増やして解析すれば、共通の異常クローンが発見できる可能性もあるものと思われた。
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